

今の職場、本当にこのままでいいのかな?



リハビリの仕事は好きだけど、なんだか毎日がしんどい…
そんなふうに感じることはありませんか?
理学療法士という専門職は、就職先の選び方や環境によって、やりがいも、心身の負担も大きく変わります。
私自身、回復期病院、老健、訪問リハ、専門学校教員などさまざまな現場を経験し、心身の不調からキャリアを見直すことになりました。
この記事では、心理学的根拠やキャリア理論、そして私の臨床・教育経験をもとに、
「どんな働き方が自分に合っているのか?」
を見つけるための【5つの質問】を紹介します。


- 資格:理学療法士(PT)、介護支援専門員(ケアマネ)
- 病院・施設・在宅リハなど幅広く経験
- 専門学校で理学療法士養成に従事
- 適応障害(うつ状態)をきっかけに働き方を見直す
- 心身の健康管理、ストレス対策について専門的な視点で深く学び直す
- 理学療法士の視点から、ブログ・書籍・デジタルコンテンツを発信中
- 子ども2人の父親
質問1|あなたが一番「やりがい」を感じる瞬間は?


▶なぜこの質問が大切なのか?
やりがいを感じる場面は、個人のモチベーション(=内発的動機づけ)です。
アメリカの心理学者である、デシとライアン博士による自己決定理論(Self-Determination Theory)では、人は「有能感・自律性・関係性」が満たされると高いモチベーションを保てるとされています。
たとえば、
- 「退院時に患者さんから感謝されたとき」
- 「自分の指導で後輩が成長したとき」
- 「生活に密着した在宅リハで深く関われたとき」
など、やりがいの感じ方は人それぞれ。
それがわかると、「自分が活躍できる職場」を見つけやすくなります。
質問2|1日の終わり、あなたはどんな疲れ方をしていますか?


▶なぜこの質問が大切なのか?
バーンアウト(燃え尽き症候群)研究では、慢性的な精神的疲労が最も危険なサインの一つとされています(Maslach Burnout Inventory)。
身体的疲労は休養で回復しますが、精神的疲労は「価値観と現実のズレ」によって蓄積しやすいです。
私が教育現場で感じた疲れも、教えることのやりがいとは裏腹に、評価業務や人間関係での心理的ストレスからくるものでした。
この質問は、「疲労の質」から、自分に合わない環境を見極めるための質問になります。
質問3|あなたが譲れない「働く価値観」は何ですか?


▶なぜこの質問が大切なのか?
キャリアコンサルティングの領域では「価値観明確化(Value Clarification)」が基本とされます。
米国のキャリア理論家E.D.ホランドは、働く人にはそれぞれ異なる職業的パーソナリティがあり、
自分の価値観に合う職場環境がもっともストレスが少ないと述べています。
たとえば…
- 「収入よりも自由な時間を大事にしたい」
- 「地域に根ざした支援がしたい」
- 「専門性を高めていきたい」
この問いを明確にすると、求人票の「待遇」や「福利厚生」だけでは見えない、“本当のミスマッチ”を避けることができます。
質問4|「理想の1週間」をイメージできますか?


▶なぜこの質問が大切なのか?
時間管理や理想のライフスタイルの観点から、この質問は極めて大切です。
生活の中で「仕事」「家族」「自分の時間」のバランスを取るには、職種や雇用形態よりも“1週間単位の働き方”に目を向けることです。
理学療法士でも、
- 午前中のみの勤務(デイケア・パート)
- 平日休み(訪問系・病院系)
- 土日休みのクリニック勤務
- フリーランスで週3稼働
など、選択肢は想像以上にあります。
「理想の生活リズム」から職場を探すという視点が、キャリアの自由度を広げてくれます。
質問5|「5年後の自分」に今の道はつながっていますか?


▶なぜこの質問が大切なのか?
5年後を見据える思考は、将来を考える重要な視点です。
「自分の職業人生はどのフェーズにあるのか?」「今後どうしていきたいか」を自覚することで、キャリアを深く考えることができます。
たとえば、
- 「今のままだと専門性が深まらない」
- 「体力的に今後続けていけるか不安」
- 「ライフステージの変化(結婚・出産)に対応できる職場がいい」
といった思いがあるなら、今こそ行動すべきタイミングかもしれません。
まとめ|「自分を知る」ことから、理想の働き方は始まる


理学療法士という職業は、非常に専門性が高く、社会的にも重要な役割を担っています。
だからこそ、「どんな環境で、どんな目的や思いを持って働くか」が、私たち自身の健康や人生の満足度に大きく関わってきます。
今回ご紹介した5つの質問は、どれもシンプルですが、そこに向き合うことで自分の価値観や希望、そして本当の課題が見つけられるきっかけになります。
- やりがいを感じる瞬間は?
- どんな疲れ方をしている?
- 譲れない価値観は何か?
- 理想の生活リズムとは?
- 今の延長に未来はあるか?
これらの問いに「YES」と言える働き方が、あなたにとっての“理想”となります。
自分の答えから「行動」へつなげよう
質問の答えを紙に書き出してみるのもよいでしょう。
それは、他人や職場ではなく、「自分」が納得して働ける環境を選ぶ第一歩です。
「まだ迷っている」
「転職までは考えてないけどモヤモヤする」
という方も、この5つの質問が“次の一歩”を考えるきっかけになれば嬉しいです。