「病院で働いているけど違う働き方をしてみたい!」
「人に教えることが好きだから教員になりたい!」
理学療法士は、どうやったら教員として働けるの?
そんなことを考えている理学療法士の方もいるのではないでしょうか。
私は病院勤務の理学療法士から専門学校の教員へ転職し、実際に年収が100万近くupしました。
教員は臨床現場とは違ったやりがいがあり、「転職して良かった」と今でも思っています。
地域の回復期病院から専門学校の教員に転職し7年間、理学療法士養成校の教員として働いた私が、理学療法士が教員になるための方法を3ステップで紹介します。
- 理学療法士15年目
- 養成校 専任教員歴7年
- 臨床現場と教員、両方の経験を持つPT
- 自由なPTの働き方を発信中
理学療法士が教員になる方法
理学療法士が教員として働く方法は大きく分けて2つ。
・専門学校の教員
臨床経験が5年かつ、指定の教員養成研修(3週間)を受講すれば転職できます。
・大学(国立・私立)の教員
大学教員は上記の条件に加えて、学位(学士や修士、博士)を取得していないと就職することができません。
このように一言で教員と言っても違いがあるのです。
順番に詳しく解説します。
専門学校の教員になるためには
まず、専門学校の教員になるための方法を3ステップで解説します。
専門学校の教員になるための3ステップ
「理学療法士の免許を取得していること」
「理学療法士としての臨床経験が5年以上であること」
が、厚生労働省から指定されている専門学校の教員として働ける条件です。これが満たされていないと、求人に応募することはできません。
現在の専門学校教員の条件として、厚生労働省が指定した専任教員養成講習会を受講し、修了する必要があります。
※この条件は、入社後に受けさせてもらえる求人もあります。
この講習は週6日の3週間、計18日間みっちりと研修を受けます。現在は、オンラインで行われています。私も参加しましたが、とても大変でした。
STEP①・➁の条件を満たすと、教員募集の養成校に応募することができます。
あとは、通常の就職活動と同様に就職試験に合格できれば教員として働くことができます。
以上の3ステップを踏むことで専門学校の教員になることができます。
大学の教員になるための3ステップ
大学で教員となるためには、「学士」以上の学位が必須です。
そのため、専門学校卒では「学士」の取得ができないため、大学の教員になることはできません。
専門学校の教員と同様
「理学療法士の免許を取得していること」
「理学療法士としての臨床経験が5年以上であること」
「厚生労働省が指定した専任教員養成講習会の受講」
の条件を満たす必要があります。
STEP①・➁の条件を満たせば、あとは気になる求人へ応募し、採用試験を受けて合格すれば教員として働くことができます。
しかし、求人先によっては「修士」以上の学位を採用条件にあげているところもあり、教員として働くためには大学院を卒業を条件としている大学も多いです。
以下の文は、ある大学が採用条件に挙げている項目です。
1.現在、理学療法士・作業療法士の養成校教員である方
2.学校教育法に基づく大学において教育に関する科目を4単位以上修め、当該大学を卒業し、5年以上の理学療法に関する業務経験(臨床、行政、企業等)がある方
3.学校教育法に基づく大学院において教育に関する科目を4単位以上修め、当該大学院の課程を修了し、3年以上の理学療法・作業療法に関する業務経験(臨床、行政企業等)がある方
4.厚生労働大臣の指定する講習会を修了予定で、5年以上の理学療法・作業療法に関する業務経験(臨床、行政、企業等)がある方
※上記1~4のいずれにも該当しない方で、5年以上の理学療法・作業療法に関する業務経験(臨床、行政、企業等)がある方は入職後に上記の理学療法士・作業療法士専任教員養成講習会を受講する必要があります。
このように理学療法士が養成校の教員として働きたいと考えている場合には、一定の条件が求められることを理解しておく必要があります。
補足:大学講師の役職
大学教員の中でも役職には種類があります。
職位は上から、教授、准教授、講師、助教、助手です。
職位により、仕事の内容にも差がでます。
教授、准教授、講師、助教は授業ができますが、助手は授業ができません。
専門学校教員と大学教員の求人の違い
理学療法士の教員になるには、主に大学と専門学校の2つがあることがお分かりいただけたかと思います。
教員に転職するときには、大学と専門学校の求人方法の違いについて理解しておくことが必要ですが、
それぞれ募集の方法が異なるため、どちらへ転職したいかで探し方が変わってきます。
大学教員と専門学校教員における求人方法の違いについて解説します。
大学教員の求人は公式HPによる公募
大学教員の理学療法士求人は、基本的に大学の公式HP(ホームページ)上での公募になります。求人サイトや転職サイトに大学教員の求人はほぼありません。そのため大学教員へ転職したいのであれば、公式HPの募集を探す必要があります。
例えば以下は、関西圏
この求人では、助教授ですが大学卒業以上の資格、すなわち「学士」以上の学位が求められています。
また、大学の求人では「助教授」だけでなく、「教授・准教授」を求めている求人もあります。そういった求人では、「修士」以上の学位が必要であるため、大学院を卒業している人しか応募できないのです。
実際に大学の助教授の大半は修士以上の学位をもっているため、求人では修士以上が募集要件となっていることが多い傾向にあります。
このように理学療法士養成校の教員として働きたいと考えている場合には、以上のような条件が求められることを理解しておいてください。
専門学校の教員の求人は、求人サイトの公募
専門学校の教員求人は、転職サイトや求人サイトでも見つけることができます。
採用条件も、ここまでに挙げた条件を満たしていれば応募可能な学校が多いです。
引用:リクルート エージェント
求人にあるように、理学療法士の臨床経験が5年以上あれば教員免許は必要ありません。ただし、理学療法士として臨床経験が5年に満たない人は、どれだけ能力が高くても教員として勤めることはできません。
その一方で大学となると、それだけでは就職することができません。
大学の教員として働く場合は2つの条件に加えて「学位」を取得していることが必要になります。具体的には助教授であれば学士以上、講師や准教授では修士以上、教授は博士以上の学位を持っていることが求められます。
つまり、専門学校を卒業しただけでは大学教員として働くことはできません。専門学校では学位を取ることができないためです。学士を取るには大学を卒業し、修士や博士を取得するためには大学院で修士、博士課程を修了しなければいけません。
実際に教員に転職したときの流れ
ここで、筆者が実際に現場の理学療法士から、専門学校の専任教員として働くまでの流れを紹介します。
1、回復期病院にて7年勤務(専任教員条件①達成)
地域の回復期病院にて、老健・訪問リハビリ等を経験しながら勤務。7年目で転職を決意し、転職活動を始める。
2、転職エージェントに登録
相談をすすめながら、希望条件に沿う求人を提案してもらう。
私は「修士」の取得はしていなかったため、必然と専門学校の専任教員の求人に限られていたので、専門学校の求人を探してもらいました。
3、希望条件に合致した応募先へ連絡し、見学
通勤、収入、複利厚生等、希望条件に沿う求人を転職エージェントから提案していただき、見学に行く。
転職エージェントであれば、非公開求人等も含めて提案してもらえるので、自分でリサーチする以上に選択肢が広がります。
4、求人先へ応募し就職試験(書類審査、人事部の方と面接)
見学の末、応募することを決意しエントリー。
就職試験を受ける。
ちなみに私が受けたのは、書類選考(履歴書、実務経験報告書)一般試験、個別面接でした。
5、採用
後日、内定通知をいただきました。
6、入職後、教員養成講習会の受講
応募先の学校に受講費用を負担してもらい、3週間の厚生労働省指定の教員養成研修に参加。
朝から夜まで講義と演習をして過ごしました。
転職活動を行っていた期間は、合計して約1カ月半ほどです。
まとめ
理学療法士が教員になるための方法を3ステップで解説しました。
①理学療法士として5年以上業務に従事(900日以上)
➁厚生労働省が指定した専任教員養成講習会を修了する
➂求人に応募する
➁の条件である教員講習会は、期間が長く3週間みっちりと講習があり、病院等で勤務しながらでは、敷居が高いです。
そのため、だいたいの学校は、入職後に➁の講習会を受講させてもらえるケースが多いようです。
また、
・専門学校か大学かで条件が違う
・求人条件に注意して就職先を探す
ということに留意が必要です。
教員は臨床現場とはまた違うやりがいがある仕事です。
実際筆者も臨床とは違い、学生との関わりや授業など、理学療法士では感じられないやりがいを感じられる働き方ができて、とても良い経験をしました。(年収もあがったし)
今でも、当時関わった学生とは連絡をとっています。そんな関わりが持てるのも教員の魅力の一つです。
教員として働くことを考えている理学療法士の方は参考にしてくださいね。
この記事だけでは不安。教員として働くってどんな感じなの?などもっと深く知りたい方は、理学療法士歴15年、専門学校教員歴7年の筆者が直接相談を承っています。お気軽にお問合せください。
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