
せっかく就職したんだし頑張らないと…!



辛いけど入ったばかりで辞めるなんて言えない…
仕事に熱意を持って頑張るのはとても素晴らしいことです。
でも、頑張りすぎて自分が壊れてしまったら?
私は教員時代、夢と決意を持って就職したものの半年で精神を病み退職してしまった卒業生を何人も見てきました。
後から卒業生の話を聞き、とても辛い気持ちになった経験があります。
自分が壊れる前にストップをかけてほしい。



患者さんを大切にする仕事ですが、自分のことも大切にしてください
- 辛いまま働き続けた新人の末路
- そこから学んだ教訓3つ
- 今からできる働き方対策
が分かります。


- 理学療法士15年目
- 養成校 専任教員歴7年
- 臨床現場と教員、両方の経験を持つPT
- 自由なPTの働き方を発信中
辛いまま働き続けた新人(卒業生)の末路


学生のAさんと出会ったのは、彼女が高校生のとき。
私とAさんのおばあさんがリハビリしている様子を見て、私も理学療法士になりたい!と思ったそうです。
その後、Aさんは専門学校へ入学。
ちょうどAさんが入学した年に私も専門学校へ教員として転職しました。
Aさんは優秀で明るく、何事も真面目に取り組む学生。
卒業までとても頑張り、素晴らしい成績で卒業し、地元の大きい急性期病院へ就職しました。
「先生!私先生みたいな理学療法士になれるように頑張ります!」
そんな嬉しい言葉をかけてくれて、やる気一杯で卒業していったAさん。
しかし、卒業後に初めて近況を聞いたのは、Aさんが病院を辞めたあとでした。



あんなにやる気に満ちあふれていたのになぜ…
私はショックを受けました。
いったいAさんに何があったのでしょうか。
抑うつ状態で仕事を休んでいた
Aさんの就職した病院は、地元でも有名な超急性期病院で、1日に診療する患者様の数は回復期病院の比ではありません。定時を過ぎてやっとカルテを書くことができるほど時間が切迫していました…
また、Aさんが所属していた部署では、一定期間ごと症例報告や学会発表のためのレポート作成が義務づけられており、それもAさんの精神を徐々に追いつめていきました。
- 毎日遅くまで帰れない
- 朝も早くから出勤
- 休みの日でさえ、症例報告のために出勤
- 上司からの指導が高圧的
それでも日々患者様には、笑顔で対応。
毎日毎日仕事の重圧がのしかかり、とても大変だったそうです。
そして、Aさんはまじめ故に、何事も全力で取り組んでいたため、ひとりで全てを抱え込んでしまいメンタルを病んでしまうことに…。
その結果、徐々に出勤できなくなり、ついに退職になってしまったということでした。



この話をきいたときとてもショックでした…
もっと、アドバイスできたことがあったのでは?
もっと早く知っていればなにかできたんじゃないか…
私を見て、理学療法士を目指してくれたAさんがこんなことになってしまい、とても悔しい気持ちになったことを今でも憶えています。
違う環境だったなら、もっと楽しく働けたのではないか
この病院では、退職者の数が毎年多く新人採用も年に2~3回は行っている病院でした。
退職者の中でも、抑うつ状態になってしまう方が一定数いるようです。
毎年そんな状況ならもっと対策を…!
そう思うのですが、「こんなことにも耐えられないようではどのみち続かない」という考えがあるようで、改善される見込みはないそうです。
- もし、身近に相談を親身に聞いてくれる人がいれば…
- もし、違う職場で勤務ができていれば…
Aさんは今も理学療法士を続け、キャリアを積んで患者様を笑顔にしていたかもしれません。



もともと優秀な人だから、違う職場だったら活躍できていたかもしれないね…
こんな人は危険!?辛い職場から学んだ自分を守るための教訓3つ


Aさんから学んだ、無理して働き続ける人へ伝えたい教訓3つをあげます。
1,辛くても続けるは間違いである
「一度入った職場は3年は続けろ」なんて言葉をよく耳にします。
果たしてそれは正しいのでしょうか?
自分の心や身体を犠牲にしてまですることでしょうか?
答えはNOです。
自分の心身が整って初めて、他者に心のゆとりが持てます。
どんな環境でも頑張り続けられることは一見すごいことかもしれませんが、それ以上に自分を守ることを大切にしてください。
理学療法士の免許があれば、食いっぱぐれることはありません。
しかし、資格を持っている自分が壊れてしまってはどうにもならないです。
2,仕事が全てではない



せっかく資格をとったし働かなきゃいけないよね…



そんなことはありません!
仕事なんて、理学療法士に限らずたくさんあります。
確かに理学療法士の資格をとるにはたくさんの時間と努力が必要です。しかし、それにこだわる必要がありません。
一番大切なのは自分自身です。
3,行動するなら早めにしよう
組織のシステムや他人を変えることはとても難しいことです。
ましてや、新人や若手のうちならなおさらです。



とくに医療の世界はなかなか…
「なにを言われても、根性をもってやり続けることだ!」
そうやってできる人はできるかもしれませんが、みんながそうするのは無理な話です。
周りに期待するより、自分で動いてしまいましょう。
働きやすい環境は自分でつかみ取っていくのです。
時間は有限で、あなたの人生の時間はあなたのものです。
勇気を持って1歩を踏み出してみませんか?


Aさんは違う職場で生き生きと働いている
Aさんは、もともとファッション・デザインにも興味があったため、現在はネイリストとして働いています。
まだ、フルタイムでの仕事は厳しいそうですが、やはり人と話をしながら働くのは楽しいと言っていました。



辛いことはあったけど、理学療法士として色々な人と出会えたことは今も活きています!
とAさんは言っていました。
どんな過去があっても、Aさんが誇りを持って生きていることが嬉しいです。
しかし、もうAさんのように辛い思いをする人が増えてほしくない。そう思っています。
まとめ
辛い環境で働き続けた結果について、私が経験した実例を紹介しました。
- 辛くても働き続けるは間違い
- 仕事が全てではない
- 早めに行動すること
いかがでしょうか?
もし今、辛い思いを抱えている人がいれば、少しでも行動してみてください。
今いる環境があなたの全てではありません。
今、悩んでいる人の参考になればうれしいです。