【3ステップで解説】理学療法士がケアマネジャーになるための方法

私はケアマネジャー(介護支援専門員)の資格を取得しています。

理学療法士として働きつつ、ケアマネジャーの資格をとることで様々なメリットが得られました。

理学療法士がケアマネの資格を取得するメリット

  • 転職先が広がる
  • 資格手当により給料がupする

などです。

実際にケアマネジャーを取得した私が、理学療法士がケアマネジャーの資格を取得するまでの方法を解説します。

この記事を書いた人
  • 理学療法士15年目
  • 養成校 専任教員歴7年
  • 臨床現場と教員、両方の経験を持つPT
  • 自由なPTの働き方を発信中
目次

理学療法士がケアマネジャーになる方法は?

理学療法士がケアマネジャー(介護支援専門員)になる方法は、以下の3ステップです。

理学療法士がケアマネジャーになるための3ステップ
  1. 臨床現場で5年の実務経験を積む
  2. 資格試験に申し込み、合格する
  3. 実務研修を受け、県に届け出を行い名簿登録する

の3ステップです。具体的に解説していきます。

ケアマネジメントとは何か?基本的な役割や業務内容について

ケアマネジメントとは、高齢者や障がい者などの支援を必要とする人々の生活を、必要なサービスや制度を利用しながら支援することを目的とし、総合的なケアの管理・調整を行う仕事です。

ケアマネジメントの役割は、大きく以下のように分けることができます。

ケアプラン作成

ケアマネジャーは、利用者のニーズや要望に応じて、必要な支援サービスを組み合わせたケアプランを作成します。介護保険サービスや医療サービスなど、必要なサービスの調整や手続きを行います。

サービス提供の調整

ケアマネジャーは、ケアプランに基づいて、必要なサービスを提供する機関や企業とのやり取りを行います。具体的には、介護施設や訪問介護事業所、医療機関などとの調整を行い、必要な支援サービスを提供します。

ケアプランの見直し

ケアマネジャーは、利用者の状況や要望の変化に応じて、定期的にケアプランを見直します。必要に応じて、サービスの追加や変更を行い、利用者の生活支援に最適なケアプランを作成し続けます。

アドバイスや情報提供

ケアマネジャーは、利用者や家族に対して、介護保険制度や福祉サービスについてのアドバイスや情報提供を行います。利用者や家族が利用しやすいよう、必要な情報を提供し、サポートします。

以上が、ケアマネジャーの基本的な役割と業務内容です。

ケアマネジメントは、高齢者や障がい者など、支援が必要な人々の生活を支えるために欠かせないサービスです。
ケアマネジャーは、利用者の生活支援を総合的に考え、最適なケアプランを作成し、必要なサービスを提供することで、利用者の生活の質を向上させる役割を担っています。

理学療法士がケアマネジャーになるメリットとデメリット

理学療法士がケアマネになることは、良いことばかりではありません。
どんな物事にもメリットとデメリットがあります。

メリット

介護業界でのニーズが高く、転職先が広がる

現在、国民の高齢化に伴い介護業界での需要が高まっています。
そのため、ケアマネージャーの需要も増えており、就職先や転職先として選択肢が広がるというメリットがあります。

資格や経験が活かせる

理学療法士は、機能回復や生活改善の専門家です。
ケアマネジャーには、介護計画の作成や提案、利用者の状況把握などが求められますが、理学療法士が持つ医療的な知識や技術を活かすことができます。

ケアマネに転職しない場合、給与の上乗せが期待できる

ケアマネに転職せず理学療法士のまま働いても、勤務先によっては、ケアマネの資格に『資格手当』が発生し、毎月の給与に上乗せされる場合があります。

私も以前の勤務先では、毎月『1万円』給与が上乗せされました。

1年で考えると12万円のupです。

しんた

大きいですね。私も給料が上乗せされたときはうれしかったです。

デメリット

業務内容の変化

理学療法士から転職しケアマネージャーになると、業務内容が大きく変わる場合があります。リハビリの現場から離れるため、自分が関わる患者さんが少なくなり、患者さんや同僚とのコミュニケーションも減るかもしれません。

給与の低下

理学療法士からケアマネジャーとして転職した場合、給与が低くなり、収入が減ることがあります。

業務負担が重い

ケアマネジャーは、利用者の状況把握や介護計画の作成など、多岐にわたる業務を担当します。そのため、慣れない業務で負担を感じる方もいます。

望まない形での勤務体系

理学療法士として働き、給与upだけを目的としてケアマネの資格を取得した場合、

自分が望んでいなくてもケアマネとして異動命令がでる可能性があります。

もし給与upだけが目的の場合は、そういったリスクがあることを覚えておきましょう。

以上が、理学療法士がケアマネになることのメリットとデメリットです。自分のスキルや職場の勤務体系、キャリアアップを考え、十分に検討した上で、資格取得・転職先の選択を行うことが大切です。

ケアマネに必要なスキルと理学療法士が持つスキルの共通点とは?

ケアマネジャーに必要なスキルは多岐にわたりますが、理学療法士が持つスキルと共通する点もあり、ケアマネジャーに転職しても業務がしやすいです。

以下に、ケアマネジャーに必要なスキルと理学療法士が持つスキルの共通点について解説します。

コミュニケーション能力

ケアマネジャーは、利用者や家族とのコミュニケーションを円滑に行い、信頼関係を築くことが求められます。理学療法士も、患者やその家族とのコミュニケーションが重要な役割を担っており、理解力や共感力を持ってコミュニケーションをとって業務をしているため、ケアマネジャーの仕事にも活かすことができます。

問題解決能力

ケアマネジャーは、利用者や家族の課題や問題に対して適切な解決策を提供することが求められます。
理学療法士も、患者の症状や障害に対して適切な治療やアドバイスを提供することを実践しているため、業務に活かすことができます。

連携力

ケアマネジャーは、利用者のニーズや要望を把握し、必要なサービスを提供するために、各種機関や団体との連携や調整を行うことが求められます。
理学療法士も、治療計画やリハビリテーションプログラムを作成し、患者や他の医療従事者と連携を取る能力が共通します。

プランニング能力

ケアマネジャーは、利用者のニーズや状況に合わせて、適切なケアプランを作成し、実行することが求められます。理学療法士も、患者の状態や目標に合わせて、適切な治療プランを作成し、実行することがを日々しているため、ケアマネジャーの業務もスムーズに行いやすいでしょう。

理学療法士がケアマネになるための方法とは?

ここで、理学療法士がケアマネになるための方法を具体的に解説します。

5年以上の実務経験を積む

まず、受験資格を得るためには以下2つの条件があります。

①「既定の国家資格」または「相談支援業務」で、一定期間の実務に従事していること

➁5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)

と、されています。

①の条件は理学療法士であれば自然と満たしているため、➁の条件が必要となります。
途中で育休などで休職した場合、その期間中は実務に含まれませんので注意してください。

資格試験に申し込む

受験資格が満たせたら、資格試験に申し込みます。
年に数回、都道府県の福祉事務所や試験実施機関で実施されます。
試験日程や申込期限などは、試験実施機関のウェブサイトや案内書などで確認できます。

勉強をする

資格試験に向けて勉強することが必要です。
ケアマネジャーの資格は、法律や制度、福祉サービスの仕組み、心理学など、幅広い分野の知識が求められます。
また、実務に即した知識やスキルも必要です。
勉強方法は、自習や予備校、通信講座など、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

自習をする場合、参考書はなるべく最新のもので勉強しましょう。
法律や制度は定期的に改定が行われているためです。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験は都道府県ごとに開催されています。
マークシート式で試験を行っている都道府県が大半です。試験では5つの選択肢が示され、その中から複数の解答を選びます。

問題数は全部で60問、試験時間は120分です。
内訳は「介護支援分野」が25問、「保健医療福祉サービス分野」が35問となっています。
合格するには、各分野において70%以上の正答率を達成しなければなりません。
ただし、問題の難易度によっては合格ラインが調整されることもあります。

合格後は研修に参加し、県に届け出を行う

ケアマネの資格には、試験に合格するだけでは取得できません。
合格後に、各県で開催される養成研修を修了することで名簿に登録することができます。
詳細は、合格後に県から説明書類が届きますので、手順に従います。

理学療法士がケアマネになったあとのキャリアパスについて

理学療法士がケアマネジャーに転職する際は、その後のキャリアパスについて考えることが重要です。
理学療法士がケアマネジャーとして働いた後のキャリアパスについて紹介します。

チームリーダーや上級管理職への昇進

ケアマネジャーとしての経験を積むと、チームリーダーなどの役職に就くことができます。これにより、より幅広い視野を持ち、チームをまとめる力や組織運営のスキルを身につけることができます。

相談支援専門員(ソーシャルワーカー)への転職

ケアマネジャーとしての経験を積んだ後、相談支援専門員(ソーシャルワーカー)に転職することができます。ソーシャルワーカーは、利用者の生活全般に関する相談や、社会福祉サービスの紹介・調整などを行います。

自営業の開業

ケアマネジャーとしての経験を活かし、自身で介護事業を開業することもできます。介護サービス申請や許認可の手続きなど、専門的な知識が必要ですが、自分自身でビジネスを立ち上げることができます。

以上が、理学療法士がケアマネージャーとして働いた後のキャリアパスの一例です。自分自身のスキルや興味に合わせて、キャリアパスを選択することが大切です。また、日々の業務において、自己成長を目指し、新たな知識やスキルを身につけることも重要です。

理学療法士がケアマネになるためのポイント

理学療法士がケアマネジャーに転職することは、介護現場において重要な役割を担うことができるという点で魅力的です。

ケアマネジャーの資格を取得するには、

  1. 実務経験を5年以上積む(900日以上)
  2. 資格試験に合格する
  3. 研修に参加し、県に届け出を行うこと

の3ステップです。

試験には専門的な知識を要するため、しっかりとした勉強が必要となります。

さらに、理学療法士からケアマネジャーに転職する場合には、コミュニケーション能力や問題解決能力、組織力などのスキルが求められます。これらのスキルは、理学療法士としての経験や知識を活かしながら、さまざまな状況に対応することで磨いていきましょう。

理学療法士からケアマネジャーに転職することは、やりがいのある仕事である一方で、努力や準備が必要です。
しかし、キャリアアップに繋げることができるため、メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、積極的にチャレンジしてみることをおすすめします。

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